004 of 連空間デザイン研究所

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0 0 4 師 走 の 室 礼

 庭の木の葉がすっかり落ち、夜が長い季節が今年もやってきた。
街はショーウィンドウが華やかに飾られ、イルミネーションが輝くこの時期、なんとなくこちらの気持ちもせわしく、又なんだか嬉しくもある。

 “冬至”は一年で一番日照時間が短い日をいう。
全ての命に力を与える太陽の力が一番弱まるこの日は、逆に言うと、この日を境に次第に日の光の力がよみがえり、生命が誕生する始まりの日でもあると何かで読んだことがある。
カボチャを食べ、無病息災を念じて柚子湯に入る。
子供の頃、冬至の意味など分からず、お風呂に柚子が入っているといい香りがして嬉しかった。
こういう季節行事ごとの室礼をわが子も、自然に感じ、覚えていってほしいと思う。

“万物に命を与える光に祈る冬至”と“神の誕生を祝うクリスマス”が同じ時期なのは、どちらも相通じる意味を持つのではないかと思ってしまう。
 街では、ハロウィーンが終わると早々にクリスマスツリーが登場するが、私はクリスマスに向けて動き出すのは待降節に入ってからということにしている。
待降節はアドヴェントとも言い、クリスマスイヴから逆算して4回前の日曜日から始まる。
キリスト誕生をお祝いするための準備期間ととらえるのだろう。
だから、準備が早すぎても遅すぎてもなんとなく気持ちが落ち着かない。

 神社にもお寺にもお参りし、冬至を意識しながら生活している私が、待降節を気にしてクリスマス準備にいそしむなんて、まさに神仏混合。ミックス文化の日本人そのものだ。
が、昔異文化だったそれは日本の生活様式に上手に取り込まれ、今やすっかりなくてはならない歳時の一つとなっている。自然や季節と、その節目を大切に暮らしてきた日本人がその気持ちを室礼で表現するのに、東洋も西洋も垣根はないのではないだろうか。

 学生時代をプロテスタント系のミッションスクールで、華やかで神聖なクリスマス一連の行事にどっぷり漬かって過ごした身としては自然とその準備にも力が入ってしまう。
ツリーやリースはその年の気分で、オーナメントの色を華やかにしたり、シックにしたり。
アドヴェントカレンダーをめくるのは毎日の子供のお楽しみに。
4本のロウソクも準備。北欧からやってきた小さな人形もちょこんと登場させる。
音楽の思い出はヘンデルのメサイア。学校主催の音楽会で、この時期はメサイアが開催される。
大勢のグリー部員、プロの歌唱力を味あわせてくれるソリストたち。そしてわたしもビオラを弾いていたオーケストラ。
メサイアに向けて長く、難しく、厳しかった練習も幕が開けばすっかり忘れて、この壮大で華やかな音楽会に浸っていた。
今でもチェンバロの音が響くバロック音楽を聴くと、当時を思い出す。

こうしてすっかりクリスマスの室礼が出来上がり、当日を迎える。
我が家はたいてい当日の食事は家でする。この日のためにいつもよりも少し特別なメニューを決め、食材を買出し、夜までに準備を整えて、家族で食卓を囲む。
そして、子供は翌朝自分に届くプレゼントを思い、早々にベッドに入る。
静かで暖かなクリスマスの一夜が暮れていく。

 クリスマスが終わるといよいよ年末・新年に向けて、室礼のラストスパートといった感じになる。
一夜飾りを避けるために、だいたい28日頃から新年の準備をする。
玄関周りを清めて、部屋も新年の飾り物をかざり、床の間の軸もおめでたいものに変える。
食事に使う漆器のお椀やプレースマット、新しいお箸なども出し、食材も準備する。
あわただしくもどこか神聖な気持ちになる。

 室礼とはハレの日のために部屋を飾り、それに心を込めること。
太陽の光や月の満ち欠け、自然の営みに、自分たちの思いを込めて祈りをささげる。
この一年は日本にとって、とても大変な一年だった。
でも、太陽の光が復活するように、月が必ず満ちるように、新しい時が来るように、
そして、それを信じる者に救いがあることを信じ、行く年に感謝し、新しい年を清らかな気持ちで迎えたいと思っている。

あじさい

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毎日、日付を裏がえすと、雪国のクリスマス風景の絵が表れる、陶製のアドヴェントカレンダー。クリスマスイブにはすべての絵が完成する。09/061とシリアルナンバーが付いている。
フィッチェンロイターのもの。

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お正月用の掛け軸。
宇土市の女性の染色作家の手染めの布でできている。明るい色づかいとモチーフの楽しさで、床の間が明るく華やかになる。